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日本語名のユーザーを登録する

説明

標準のログインID(ユーザー名)は、英数字と一部の記号の組み合わせで構成されている。一般的なシステムのログインIDはおおむねこんな感じだが、ふと「インターネット環境ならログインIDに日本語が使用できてもいいんじゃないか」と思い、実現できるか調べてみた。

ログインIDで使用できる文字を確認

とっかかりとして管理者向けの「新規ユーザーを追加」ページで実際にユーザー登録するところを確認してみると、ログインIDは sanitize_user関数の厳格ルールでサニタイズされている。使用できる文字は次の通りである。

  1. 英大小文字
  2. 数字
  3. 記号(_.-@)
  4. 半角スペース

この関数には同名のフィルターがあり、このフィルターを利用することで独自ルールでのサニタイズが可能になる。今回の目的であるログインIDで日本語を使用可能にする場合は、テーマ内のfunctions.phpに次のようなコードを記述すればよい。

add_filter( 'sanitize_user', 'allow_japanese_as_username', 10, 3 );

function allow_japanese_as_username( $username, $raw_username, $strict ) {
	if ( $strict ) {
		$username = wp_strip_all_tags( $raw_username );
		$username = remove_accents( $username );
		$username = preg_replace( '|%([a-fA-F0-9][a-fA-F0-9])|', '', $username );
		$username = preg_replace( '/&.+?;/', '', $username );

		$username = preg_replace( '|[^a-zA-Z0-9ぁ-ゖァ-ヺ一-龢豈-頻 _.\-@]|', '', $username );
		$username = trim( $username );
		$username = preg_replace( '|\s+|', ' ', $username );
	}
	return $username;
}

'sanitize_user'フィルターの関数はパラメータが3つで、第1パラメータがsanitize_user関数で処理したログインID、第2パラメータが処理前のログインID、第3パラメータが厳格ルールを適用するかのフラグである。sanitize_userがユーザー登録時以外にも利用されるため、第3パラメータがtrueの場合のみログインIDで使用できる文字を変更する処理を行う。具体的な処理の流れはsanitize_user関数に習っており、字種を制限する部分にひらがな、カタカナ、漢字を追加している。

  1. HTMLタグを除外する
  2. アクセント文字を除外・置き換えする
  3. URLエンコードされたマルチバイト文字を削除する
  4. HTMLエンティティ化された文字を削除する
  5. 無効な文字を削除する
  6. 前後の空白文字を削除する
  7. 内部の連続した空白文字を1つにまとめる

なおログインIDにアクセント文字を使用したい場合は、5の字種パターンの変更だけでなく、 remove_accents関数を使用しないといった調整が必要なる。

【重要】

上記のコードは日本語名のユーザーを作成しログインできたところまでは検証したが、使用しているテーマやプラグインに影響を及ぼす可能性がある。運用しているサイトに適用する場合は自己責任はもちろんだが、十分に注意してほしい。


最終更新 : 2018年05月27日 10:42


お勧め

wp_authenticate(2022年1月31日 更新)

WP_User | WP_Error wp_authenticate( string $username, string $password )
ユーザー認証を行う。

wp_send_json_success(2020年12月10日 更新)

void wp_send_json_success( [ mixed $response = null [ , int $status_code = null [ , int $options = 0 ] ] ] )
AJAXリクエストの成功レスポンスとしてJSON情報を返す。

wp_oembed_get(2014年11月16日 更新)

mixed wp_oembed_get( string $url [ , mixed $args = '' ] )
oEmbedに対応したページの埋め込み用コンテンツを取得する。

setup_postdata(2014年11月16日 更新)

bool setup_postdata( stdClass $post )
投稿記事に関連するグローバル変数を設定する。

the_permalink(2018年5月27日 更新)

void the_permalink( [ mixed $post = 0 ] )
現在の投稿データのパーマリンクを表示する。