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説明
WordPress 5.5 RC 2が公開され、来週には正式版がリリース。変更箇所が多い「WordPress 5.5 RC 2(以降RC 2)」のソースコードを眺めていると、テーマの切り替え前にWordPressとPHPのバージョンを確認するようになっていた。
はじめに、この記事は公開された5.5 RC 2をもとにしており、正式リリースの際に変更される可能性があることを予めお断りする。
WordPressとPHPのバージョン
テーマのstyle.cssにはそのテーマが対応しているWordPressとPHPのバージョン情報が記述されている。以下は「Twenty Twenty:のstyle.cssの冒頭部分で、「Requires at least」がWordPressのバージョン、「Requires PHP」がPHPのバージョンを示している。
/*
Theme Name: Twenty Twenty
Text Domain: twentytwenty
Version: 1.4
Requires at least: 4.7
Requires PHP: 5.2.4
これらの記述がstyle.cssに追加されるようになったのは最近であり、その前はテーマのreadme.txtに記述されていた。例えばWordPress 5.2に同梱されている「Twenty Nineteen」のreadme.txtの冒頭部分は以下の通りである。
=== Twenty Nineteen ===
Contributors: wordpressdotorg
Tags: one-column, flexible-header, accessibility-ready, custom-colors, custom-menu, custom-logo, editor-style, featured-images, footer-widgets, rtl-language-support, sticky-post, threaded-comments, translation-ready
Requires at least: 4.9.6
Tested up to: WordPress 5.0
Requires PHP: 5.2.4
なお「Requires PHP」の記述は、WordPress 5.1に同梱されている「Twenty Seventeen」のREADME.txtにはない。テーマを公開したことがないのでわからないが、「Requires PHP」の記述はそれほど古くはないのだろう。
テーマの切り替え
WordPressのテーマの切り替えはswitch_theme関数で行う。5.5ではテーマを切り替える前に、 validate_theme_requirements関数を使ってテーマが現在のサーバー環境に対応しているか調べ、その結果、不適切な場合はテーマを切り替えない。
validate_theme_requirements関数では、 wp_get_theme関数でテーマの基礎情報を取得し、次にreadme.txtファイルがある場合はそのヘッダー情報を取得。テーマの基礎情報に「Requires at least」または「Requires PHP」がなく、readme.txtファイルのヘッダー情報にそれらの記述がある場合はヘッダー情報で補完している。
こうして取得した情報と、現在のWordPressとPHPのバージョンを比較し、不適切な場合はそのエラー情報(WP_Errorオブジェクト)を返し、問題がない場合はtrueを返している(テーマのstyle.cssとreadme.txtに対応バージョンの記述がない場合もtrueとなる)。
WordPress 5.5以降ではWordPressやPHPのバージョンによってテーマが切り替わらなくなることは意識しておきたい(管理画面上ではエラーメッセージが表示され、「有効化」ボタンが表示されない)。
最終更新 : 2020年08月12日 08:26
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